虫パニック2006年05月11日

電車の中、いつものように座ってホゲてたら
知らぬ間に腕に
500円玉くらいあるでっかい虫が~。

もうびっくり、ひ~!
いつの間に!?

でもこの虫、
見たこともない変な形をしていて
色なんて白と黒のくっきりツートン。
妙に派手でアマゾンぽい…

しかものんびりくつろいでる感がただよってるし
虫大嫌いな私でも
不思議とあまり怖くないのだ

『おやおや、どこから迷い込んで来ちゃったのかな?
 こんなところで何をしてるんでちゅか~?』

でも
振り落とす。
虫は隣りの席の女の子の靴の上

女の子もびっくり
睨まれる前に謝ろう。
『ごめんなさい』

女の子は傘の先で払い落とす。
すると虫、また向こう隣りのおばさんの足下へ

隣りの女の子はおばさんに
『ごめんなさい』

三人で虫をしばし観察

『めずらしいですねぇ』
『なんかスゴイ色ですねぇ』
『うふふ、おとなしいわね』

なんか虫見て和んでる私たち

虫はまたまた向こう隣の小綺麗な女性の方へ移動

私たちはそれぞれの世界へ

しばらくすると突然
斜め前方のおじさんが叫んだ

『奥さんっ!膝のとこに変な虫』
『ぎゃあっ』

見ると
さっき移動してった
小綺麗なおばさんの膝の上に!

そら叫ぶわな。
ちょっと大胆。

あたりは騒然。
女性は手も出せないで怯えている
見兼ねたまたまたまた隣りのおっさんが
虫を払い除けてくれたものの

彼女は
逃げるように席を立ち退散

残された周辺乗客も
オロオロ
ガヤガヤ

でもみんなも
よくよく虫見てみると
憎めない感じになるんだな

この辺りは
すっかり見守りムード

すると
さっき叫んだ前方のおじさんが

『そんな虫殺しちまえっ』

え~~誰がああ?
空気よめよ~。

おじさんはおもむろに立上がり
つかつかと虫に近寄る

みんなが『あっ』という間もなく

グシャ。

…。

なんかみんなして落胆

語り合った私たち三人は
思わず顔を見合わす
あ~ぁ

おじさんは
満足気に着席
いや、
本来ならめちゃめちゃ
人助けなんだろうけど
なんか切ない。

ちょっとした虫パニックが
人を妙にさせる
五月の夜の
車中でございました。

虫さん、
今となっては幻です。