出せない手紙2008年04月05日

お父さん、元気にしていますか?

体は自由に動いてる?
呼吸は楽に出来ている?
水、沢山飲んでいる?

いっぱいゴルフして
あちこち歩き回って車でドライブして
美味しくお酒をのんで
のんびり一服してますか?

私やお母さんはとても寂しいです。
毎日お父さんと過ごした日々を思い返し
もっとああすればこうすれば…
元気なうちにあんな事こんな事…

いっぱい考えてしまいます。

本当にいろんな事があったけど
お父さんが頑張ってくれたから
私達三人で力を合わせ
その都度、乗り越えてきました。
精一杯やっていたつもりだったけど

いっぱいいっぱい考えてしまいます。

お父さんとの思い出や、お父さんのいろんな表情を思い出しては
涙があふれてしまいます。

死んじゃうなんて
やっぱり悲しいよ、寂しいよ。

あのキラキラの瞳や
思わずふき出した顔、
私達を呼ぶ声、肌の感触、お父さんの匂い。
全てが懐かしいよ。

けしてグチらず明るく前向きだったお父さん。

なぜか幸せだったあの日々。

でも本当はお父さんは
いつもどんな事を考えていたの?
何を思っていたの?

私達は間違っていましたか?
私達はお父さんを傷つけたりはしてないですか?

お父さん、もう一度、話しをしたいです。

私に『お父~さんっ』と声をかけさせて。

もう一度抱きしめたい。触りたい。声を聞きたい。

また私達を必要としてほしい。

また一緒に過ごしたい。
当たり前にあった姿がなくなってしまって
家の中はとても物足りない。
どうしたって埋まらないのです。

お父さんの物は今でもそのまま。
でも肝心なお父さんの姿がありません。

もうどこにもありません。

お父さんの姿は今は写真だけ。
お父さんというお父さんを知っている私達の心の中だけ。

確かに生きていたのに。確かにこの世に存在していたのに。


だから私は
世界中の人に声を大にして教えたいのです。


私の父はこの人なんだと。
たしかに生きていたんだと。

でももう誰に会わせる事も出来ないのです。

今はどこにも見当たらない。

それが悔しくてやりきれないのです。



あれから1ヶ月あまり

『お父さん。ねぇ、お父~さんっ!

元気にしていますか?』

私の今の気がかりは、ただそれだけです。

『私は元気だよー。』