目撃者情報2006年09月29日

試写会の受付嬢のピンチヒッターをした

来場するお客にチラシを配付する
400人くらい列をなして押し寄せるので
私は
『いらっしゃいませ、いらっしゃいませ、ごゆっくりどうぞー』
機会人形のように配りまくる

上映終了後
『ありがとうございました、ありがとうございました、お気をつけてお帰り下さいませー』
ぺこぺこぺこ

見終わって楽しそうな客人をひたすら見送る

あ、あの変な髪型の人
あ、さっき喧嘩してたっぽいカップル
あ、高校生とお母さん

あれ?こんな人、入ってたっけ?

あれれ?こんな男性来てたっけ?

あれ?あれ?あれれ?

客入れのとき
一人一人迎え入れてたはずなのに
見覚えのない人がチラホラ…
結局、見覚えのない人の方が大多数。

人間て、一度に記憶できる顔の数に限界があるのかね?

覚えてる客の顔の方が少ないなんて!

もし凶悪犯がアリバイ作りにこの会場に紛れ込んで来てたとして

後日、警察が私のとこにやって来るんだ
その凶悪犯の写真を手にだ

刑事『この顔に見覚えはありませんか?』
私『…ありません』

刑事補『ほら、先輩、ホシは映画なんて観ちゃいないんすよ』
刑事『いや、俺のカンに間違いはねぇ!』
刑事補『…おやっさ~ん、もうあきらめ悪いっす』

刑事『お嬢さん、もう一度この写真をよ~くみて下さい、
 この顔、本当に見覚えはないんですかい?』
私『何度聞かれても知らないものは知りません!
 もういい加減にして下さい!
 仕事中なんです!』

刑事補『ほらね、もう帰りましょう』

刑事はそれでも私に詰め寄る

刑事『ふざけるなっ!人の命がかかってるんだぞっ!』

泣き出す私。


あ~ぁ、捜査に協力したいにも覚えてないんじゃね。

今夜は打ちのめされたわけなのだ
ピンチヒッター受付嬢はさ

なんてったって
『目撃者情報無し』

手ぶらで刑事を帰らせちまうんだもんな

だめだな、受付嬢失格だ。